イメージコンサルティングが一般に注目されるようになったのは、1960年代、アメリカ大統領戦ではじめてテレビ討論が行われた ときのこと。ニクソン対ケネディ。「選挙戦で疲れた表情のまま臨んだニクソンに対し、初めから視聴者に直接訴えることを主眼と して雰囲気、印象を重視したケネディは、カメラ映りのよい服装を心がけ、顔のメイクアップも入念に行ない、その結果 ケネディ が圧勝した」（「アメリカ大統領を読む事典」講談社より）。まさしくイメージコンサルティングの威力を証明した形となったのです。

その後、イメージコンサルタントは大統領、企業のトップやエグゼクティブ、ハリウッドスターなどに不可欠な存在となり、弁護士、 精神科医と並ぶ「エグゼクティブが持つべき3人のパートナー」の1人となっています。自分の魅力を最大限に発揮し、人とのより 良いコミュニケーションを図りビジネスチャンスをつかむために、イメージコンサルティングはすでに常識。欧米のエグゼクティブ は、「外見」を戦略的に演出し、マーケティングに、企業のブランドイメージづくりに巧みに利用しています。

グローバリゼーションを背景に、そして商品での差別化が難しい今日、日本でも「人としての付加価値を高めるスキル」＝イメージコ ンサルティングが注目されています。厳しさを増すビジネス環境のなかで、トップはもとよりひとりひとりの社員のポテンシャルを上 げ、営業力を磨き、プレゼンスを高め、企業のブランドイメージに収斂させる必要性が高まっているからです。業種も、コンサルティ ングファーム、IT企業はもちろん、銀行、商社、メーカー、ハイエンドブランドショップなど、さらに階層別では新入社員にまで広が り、外見力研修のニーズは多岐に渡っています。

近頃では、大手企業のダイバーシティチームからの依頼で、女性だけを集めた外見力研修やセミナー、女性経営トップや起業家への個 人コンサルティングも増え、新たなマーケットになりつつあります。人の中身、知性やキャリアを瞬時に伝えるのは、外見です。欧米 のみならず日本においても、人の印象を形成するコミュニケーション因子を自身のマーケティングに積極的に活用し、だれもが望まし いイメージを確立するべき時代がきているのです。

企業のエグゼクティブのみならず、インターネットを通じたさまざまなソーシャルメディアが一般化するにつれ、だれもが「メディア」 に登場する機会が増えています。これは、自身をメディアとして積極的にアピールすることで、自分自身を効果的にブランディングする チャンスが増えたともいえます。「外見」でアピールできる能力があるかないかで、その人の価値に大きく差がつく時代。説得力のある 自己の演出こそ、ビジネスシーンにおける重要な戦略。それをサポートするのが、まさにイメージコンサルタントなのです。